ボードゲームでチームビルディング!チームワークを「遊んで」育てよう

2023年4月26日水曜日

組織・人材

ボードゲームでチームビルディング促進

みなさんは、ボードゲームは好きですか?
ボードゲームというのは、たとえば「人生ゲーム」のような、電源を使わず、紙とサイコロ、駒だけで遊べるような物を指します。
ボードゲームはシンプルで分かりやすいルールの物が多いので、これをビジネスに活用して、チームビルディングに活用するケースも多いようです。

ここではボードゲームを使った効率的なチームビルディングの方法と、注意するポイントをご説明します。ぜひ皆さんもチームビルディングにボードゲームを利用してみてください。

チームビルディングにゲームを使う

チームワークの基礎を作るために、チームでゲームをプレイするというのは効果的と言われています。

しかし、チームビルディングのために行うゲームは、娯楽性が低かったり、「学び」要素が強すぎたり、いわゆる「上司が満足しやすい題材」に限られていたりします。
今回は、そういったビジネス用の娯楽性の低いゲームに限らず、より自然に、より楽しく、より効果的にチームビルディングできる、という話です。

そもそもゲームを取り入れる理由

なぜチームでゲームをプレイするというのはチームビルディングに効果的なのでしょう?

一言で要約すると「ゲームプレイを通して、お互いの性格が分かるから」です。

たとえば、チームリーダーから見て、メンバーが積極的にコミュニケーションを取るタイプなのかどうかは、ゲームプレイから良く分かります。また、あるメンバーが「タスク志向」なのか「コミュニケーション志向」なのか、他の人から見ても分かります。
ボードゲームを通して、そのメンバーがどのような価値観を持った人なのかを、他人から見えやすくなるでしょう。

チームビルディングに効くボードゲームのやり方

ボードゲームを使った「効果的なチームビルディング」にトライする場合に、気を付けておくべきポイントを記載します。
ただプレイするだけでは、効果は半減します。チームリーダーは、どのような事を意識すればよりよいチームビルディングとなるのでしょうか?

他メンバーへの称賛を引き出そう

それほど特別なことをする必要はありません。チームリーダーは、1点だけ意識してゲーム進行を行いましょう。

意識する点とは「メンバーから、他メンバーへの称賛を引き出す」ことです。
事前にメンバーには「他メンバーの称賛を行うこと」をテーマとして与えておきます。勝敗が決した後に、振り返りの時間を設けてお互いの感想を発表しあうと良いでしょう。印象に残った作戦や、感心した戦略など、他者を称賛するキッカケはたくさんあります。

他にもあるアレンジ方法

チームの状況に応じて以下のようなアレンジもご検討ください。

  • もともと個人戦のゲームを、ペアでプレイしてもらう
  • プレイヤーの目指すゴールを敢えて指定してプレイしてもらう
  • リーダーか、リーダーが指定したプレイヤーに、敢えて「他人を批判ばかりして称賛しない」プレイをしてもらう(それにより、どのような心理的悪影響があるかのロールプレイで体感する)

ワークショップにご参加ください!

「そうは言われても、やり方に不安が残る……」という方もおられると思います。
そんな方は、我々が定期的に開催しているボードゲーム会「With Board games!」に一度参加してみてはいかがでしょうか?
一人のメンバーとしてボードゲームを楽しみつつ、どのようなやり方で進めていけばよいのかを体感することができると思います。

なぜチームビルディングに効くのか?

ボードゲームがなぜチームビルディングに効果的なのか、もう少し詳しくご説明します。

バートルテスト

バートルテストとは、ゲーム研究者であるリチャード・バートルが発案したプレイヤーの気質を分類するテストです(*1)。
このバートルテストは、人のやる気を引き出す手法である「ゲーミフィケーション」と関連付けられて語られることが多いですが、チームビルディング時の相互理解にとっても有用な考え方です。

具体的には、プレイヤーを「単独行動 or 集団行動」の軸と「ゲーム内の要素に興味 or 他プレイヤーに興味」の軸でそれぞれ評価して、「アチーバー」「キラー」「エクスプローラー」「ソーシャライザー」の 4 つに分類します。

それぞれのタイプを簡単に説明すると、以下の通りです。

  • アチーバー
    タスクを達成することに喜びを見出す
  • キラー
    自分の実力を他人に認めさせたい
  • エクスプローラー
    新たな発見をすることに喜びを見出す
  • ソーシャライザー
    他者と交流、協力して、自分が必要とされることを望む

興味がある方は、無料で行えるWeb上の簡易バートルテストを実施してみるのもいいかもしれません。

プレイ内容から、性格を推察する

チームビルディングで重要なのは、お互いの性格・タイプを認知することです。欧米では、ビジネス性格診断テストなどを通じて、お互いのタイプの違いを認識させてその後の円滑なチーム運営に繋げるケースもあります。日本では、あまり聞かない習慣ですね。

ビジネス性格診断とまではいかなくとも、ボードゲームのプレイを通して、自然と個々のメンバーの性格を類推することができます。
他人とコミュニケーションをたくさん取るゲームであれば、この目的はある程度達成できます。戦略性の高いゲームであればその戦略や交渉からメンバーの性格が見て取れますし、エンタメ性に極端に振ったゲームだとしても立ち居振る舞いから性格が垣間見えます。

逆に、将棋や囲碁のように、一対一で会話によるコミュニケーションがほとんど発生しないようなゲームは、チームビルディングには不適切と言えます。

ボードゲームのプレイは、人それぞれです。自分が加点することを優先する人もいるし、全体のバランスからマークすべきプレイヤーを全体で共有する人もいますよね。
チームリーダーは、各メンバーのコミュニケーションの取り方からバートルテストの4タイプのどこに分類されるかを類推し、そのメンバーはビジネスチームにおいて得意そうな(もしくは好きそうな)作業に割り当てることができるでしょう。

タイプによって得意不得意は分かれます。たとえばソーシャライザーは他人との連携を重視します。他チームとの連絡窓口だったり、異業種交流会への参加だったりを好む傾向があります。
それぞれのタイプが好む作業を割り当てることで、チーム全体としての作業効率も上昇します。

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローによって考案された人間の欲求を5段階のピラミッド構造で表す心理学理論です。

人間の欲求は「生理的欲求」、「安全の欲求」、「社会的欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」の五段階に分けることができる、という理論です。ここでは詳しく言及することはしませんので、興味がある方は検索してください。

ここでは円滑なチームを作るためのチームビルディングについて考えてみましょう。
ボードゲームをプレイして、互いの称賛をするように促すことで「社会的欲求」および「承認欲求」を相互に感じやすくする下地作りができます。
初めてチームを組んだ人に対して、ビジネス上の称賛の言葉をかけることは難しいかもしれません。しかし、ボードゲームのプレイングに対する感想ならば称賛しやすいですよね。メンバー間で、多少なりとも性格を相互に理解しつつ、自分よりも優れた部分を称賛するという行為を一度体験することで、今後チーム内でのコミュニケーションにもプラスになります。

ですので、チームリーダーは各メンバーに「他者を称賛すること」を必ずテーマとして与えてください。

もし本格的なビジネス性格診断がしたければ

ボードゲームは、簡易的なビジネス性格診断として機能するため、チームビルディングが効率的になるという話をしてきました。
ここで、もし皆さんの中で「本格的なビジネス性格診断がしたい」という方がいらっしゃる場合、 ActionCOACH で提供している「DISC診断」の実施をご検討ください。

コーチの 1h セッション付きで、タイプごとに適切な「目標設定」「進捗管理」「称賛方法」など、具体的な方法を学べる内容です。部下との円滑な関係構築のための強力なツールとなります。
実際に診断を受けてみたい方は、ぜひ問い合わせフォームからお申込みください。

まとめ

ボードゲームを活用した、効率的かつ効果的なチームビルディングをみなさんも取り入れてみてください!

参考

  1. Richard A, Bartle: Players Who Suit MUDs

使用画像

  1. Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像
  2. Esteban RodriguezによるPixabayからの画像