「覚える」ために「人に教える」だって?〜新メンバーに早く仕事を覚えさせる方法 #2

2022年4月26日火曜日

時間の基礎 組織・人材

もっと仕事を早く覚えるには

以前、仕事を早く覚えるためには、その時間配分が重要だという事を書きました。

これ以外にも早く覚えるためのテクニックがありますので、別の方法を紹介しましょう。

覚えた後で、さらに人に教えるよう伝える

「あとで別の人に教えなければならない」と伝えて勉強させると学習効率が高まる、という研究結果があります。
仕事を覚えてもらう前に「ここで覚えたことを、別の人にまた教えてもらいます」と伝えておくことで、学習意欲が高まり、より学習効率が高くなります。

実際に人に教える

人に教えるには、学習内容を完全に再現できる状態になっていないとできません。ですので、人に教える、という行為がそのまま自分自身の理解度をテストしている事になります。
そして、教えるときに説明できなかった部分は、まだ学習が不十分ということです。それを作業者には自覚してもらって、再学習のキッカケ作りをして学習意欲が高い状態をキープしましょう。
教える相手は、すでにその作業を知っている上司や先輩でも構わないでしょう。「知らない相手に説明すると思ってやってみる」ことで、自分自身の理解度テストとして成り立つと考えられます。

なぜ「人に教える」と「早く覚える」のか?

大きく分けて 2 つの理由があります。

後で人に教えるように伝えておくと、学習の効率が良くなる

ジョン・ネストイコ博士の研究 (*1) によると、「あとでテストする」と伝えて勉強させたグループと、「あとで別の人に教えなければならない」と伝えて勉強させたグループにテストを受けさせたところ、後者のほうがいい結果を出しました。
「人に教えなければならない」と思うことで、より覚える意欲が高まります。その結果、学習結果が良化したと考えられています。

仕事でもこれと同様に、「人に教えなければならない」と伝えることで、意欲的に覚えてもらいましょう。

人に伝えるために情報を整理する段階で覚える

人に教えるために、まず分からない人向けに情報を順序立てて整理します。すると、その段階で自分自身が覚えてしまいます。
試験勉強のために暗記用の単語帳を作っていたら、作った時点でもう覚えていた、といった事に似ています。誰しも似たような経験があるのではないでしょうか?

また、正しく覚えられているかどうかを「実際に人に教える」ことでテストにもなります。「理解した気になっている」部分は、いざ人に説明しようとするとできないものです。
重要なのは、本人が「説明できなかった」と自覚できることです。本人が説明できなかった、理解不足であった、と明確になります。そうすると、本人が復習する動機付けになります。

まとめ

前回紹介した「3:7 の時間配分」に加え、今回の「人に教える」を組み合わせると、より学習効率が高くなります。
まずは周囲が「学習に最適な環境」を作ることが重要です。今まで出てきたポイントに気を付けて、より効率的な教育を施せるようにしましょう。

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■参考

(1) Nestojko JF,et al.「Expecting to teach enhances learning and organization of knowledge in free recall of text passages 」(2014)

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