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知ってる「つもり」とは?
まず前提を確認しましょう。「その物事を知っている」ことと「その物事が、どういう仕組みで成り立っているか知っている」こととは別ですよね。しかし、これらを混同して認識してしまっているケースが多いのです。
たとえば「水洗トイレのレバーを引いたらどうなるか知ってますか?」と聞かれたとしましょう。私は「はい、知っています」と答えるでしょう。きっとこれをお読みの皆さんもそうだと思います。
「では水洗トイレはどういう仕組みで流れていますか?」と聞かれたら、なんと答えますか?
きっと、私は「どういう仕組みで動いているかは、知りません」と答えるでしょう。
私は、水洗トイレがどういう仕組みで流れるか細かいことまでは知らないのです。でも「知っている」気になっています。
このように「仕組みを知らないのに、物事を知っていると思ってしまっている」状態を、ここでは「知ってるつもり」と呼んでいます。
「つもり」=「錯覚」
この「知ってるつもり」を、難しく言えば「知識の錯覚」となります。興味あれば、この「知識の錯覚」について詳しく書かれた書籍を読んでみるのも良いと思います。書評サイトで概要を確認できますので、そういったサイトで概要を確認されてみてはいかがでしょうか。
知ってる「つもり」は、何が良くない?
知ってる「つもり」だと、その物事に対してそれ以上の「興味」「好奇心」が湧きません。「これはこういうモノだから」と意識の外に置いてしまうと、「そこにどういう問題が潜んでいるか」や「こうすればもっと良くなるという気付き」などが生まれません。
これは、ビジネスにとって「停滞」を意味します。
今以上に良くなるルートが無くなってしまいますので、知ってる「つもり」は良くないです。
では、知ってる「つもり」を防ぐためにはどうすればいいでしょうか?
そのためには、まず「認知」の考え方を整理しましょう。
「認知」とは
ここで言う「認知」とは、自分がどういう状態かを自分で知る、気付くということです。たとえば、先ほど例に出した「水洗トイレのレバーを引いたらどうなるか知っていますか?」に対して「どういう仕組みかは知らない」と「気付いている」状態です。
自分を知る、という意味を強調して「メタ認知」とも言います。
認知は、以下の 4 段階に分けられます。
-
<知らないことを、気付いていない>
「水洗トイレの仕組みを知らない」ことを気付いていない -
<知らないことを、気付いている>
「水洗トイレの仕組みを知らない」ことを気付いている -
<知っていることを、気付いている>
「水洗トイレの仕組みを知っている」ことを気付いている - <知っていることを、気付いていない>
「水洗トイレの仕組みを知っている」ことを気付いていない(意識せずとも仕組みを思い出せている状態。「仕組みを知っている」と意識する必要すら無い)
日々自分たちがやっている仕事のことは、当然知っていると考えますよね。ですが、本当にどういうワークフローで、誰と誰が関わって、どういう情報伝達経路、どういう指揮命令系統で動いているのか、すべてを知っていますか?
働いている人の気持ちの面ではどうでしょうか。そこで働いている人達がどういう気持ちでやっているのか、やる気が出る作業なのかどうか、そういう細かい部分まで、すべてを知っていますか?
何かビジネス上の問題があるとしても、「どこに問題の原因があるかを知らない」ケースは多いです。
知ってる「つもり」になってしまっていませんか?
まずは「知らないことを、知らない」という部分に立つことで、「知ってるつもり」の状態から脱却しましょう。
哲学の父と言われるソクラテスも「無知の知」という概念を、よりよく生きるための考え方として非常に大事にしました。
ビジネスにおいても同様に、よりよいビジネスの考え方として「無知の知」を取り入れましょう。
認知の段階を上げるには
ActionCOACH では「認知の段階」を上がっていくことを重要視しています。そして何より、知ってる「つもり」に気付いてもらうための質問を重要視しています。mohamed HassanによるPixabayからの画像 |
ビジネスコーチからの質問に答えているうちに、きっと答えられない部分が見つかるはずです。
先ほどの水洗トイレの例を思い出してみてください。
「水洗トイレの流れる仕組みを知っていますか?」と聞かれるまで、そこに「流れる仕組み」があることを全く意識していなかったのではないでしょうか? だからこそ「知ってるよ」と答えるのだと思います。
ビジネスも、それと同じ事が言えます。
ビジネスコーチからの質問に答えられなかったとき、そこで「知らないことを、気付いている」状態に変化できます。
知ってる「つもり」は、ビジネスの停滞を招きます。ビジネスコーチからの質問を通じて、マインドセットを変革することができますよ。
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